【レポート】WILL2025@オンライン: NPO法人ユアフィールドつくば(茨城県つくば市)を訪問しました
WILL2025@オンラインにファンドレイザーとして参加している福永です。
台風15号が日本列島を縦断し、各地に暴風雨をもたらしていたこの日、私たちユアフィールドつくばチームの一部は茨城県のつくば市におりました。
ユアフィールドつくばさんの現状、施設、事業などを直接見せてもらう機会をいただきました。
13時につくばエクスプレスの万博記念公園駅に到着すると、ユアフィールドつくば代表理事の伊藤文弥さん自らが出迎えてくださいました。
ファンドレイザーのしげさんは大阪からの新幹線が台風によって三島で足止めになってしまい、少しばかり遅れるとのこと。
そこでまず第1陣として、事務局のきむさん、こゆきさん、私は、伊藤さんの運転する車に乗せていただき、先に見学を開始することに。
駅から10分ほど走ると、ユアフィールドつくばさんが運営する養鶏場に到着しました。
雨の中ではありましたが、少しだけ中までお邪魔して、そこで働いているみなさんの様子を見せていただきました。
ここには約3000羽の鶏がいて、毎日たくさんの卵が採れるのだとか。
伊藤さん曰く、やってみてわかったことだそうですが、障がいのある方にとって、養鶏場の仕事はとてもやりやすい仕事なのだそうです。
障がいをもったみなさんと言ってもさまざまな症状、程度があり、一言ではくくれませんが、それでも大きな特徴として「判断」することが苦手な方が多いのだと。
野菜の場合だと、作物によって、また天候などにもよっても、「今日はこのくらい収穫しよう」とか、「この大きさならまだ採らない方がいい」などの「判断」が必要になります。
しかし、鶏卵の場合、生んだその日に収穫しないといけませんので「判断」する必要がないのです。
今は空き地になっている隣の敷地には、食肉用の鶏舎や加工処理場も建設予定だそうで、事業として順調に成長していることを感じました。
ここで一旦駅に戻り、台風を乗り超えてやってきたしげさんをピックアップ。
改めて5人で次なる見学地、グループホームに伺いました。
その建物は、外から一見しただけでは特別な施設とはわからない、オシャレでキレイな一軒家でした。
いろいろな事情で生活が困難な方のため、少ない金額で生活できるようになっていて、広々とした共有スペースを中心に、たくさんの小部屋が並んでいました。
見学させてもらった建物以外にも同様の施設が7棟あり、全部で50部屋ほどを稼働させているのだそうです。
食事などを受け持つ女性の世話人さんはもちろん、トラブルが発生した時のために男性の管理者もつけるなど、万全の体制で運営されていました。
すぐ隣には、やはり同じような建物ですが、こちらは短期宿泊者用の建物がありました。
いきなり共同生活に入るよりも、まずはお試しで体験してもらい、適性を判断してもらうためのもので、このようなところにも、利用者の心情にしっかり寄り添いたい、団体の考え方が反映されています。
ここからさらに車で移動。
相変わらず雨は強く降っていたので、車内からの見学となりましたが、ユアフィールドさんの持つ農場を見学させてもらいました。
数か所に点在してはいますが、どこも広大な畑で、とにかくたくさんの種類の野菜を作っていることに驚きました。
にんじん、じゃがいも、きゅうり、トマト、ねぎ、らっかせい等、書き止めきれないほどでした。
また自分らで作る以外にも、貸し農園もやっていて、コロナ以降、野菜の価格高騰も影響して、今や大人気なのだそうです。
近くに住む、有名な有機農家の方に指導を受け、少しずつ広げていった結果が今の状態なのだそうですが、この成功体験から、わからないことはちゃんとプロに訊いてしっかり学ぼう、という方針ができたのだとか。
養鶏でもそのノウハウが生きているそうです。
車の中でも伊藤さんは、団体の抱える課題や展望、ここまでやってきての気づきなど、さまざまなお話をしてくれました。
聴いていて特に気になったのは、事業を広げることで、サポートできる部分は確かに増えるが、組織として大きくなるがゆえに、希薄になってしまう部分もあるというお話。
企業でも成長過程でよく聴く話ですが、組織が拡大し、従業員が増え、創業者との間に距離ができると、起業当社の“精神”が薄らいでいくという傾向は、きっとどのソーシャルビジネスでも通る道なのでしょう。
伊藤さんがたびたび口にしていた問題点も、突き詰めると人間関係に由来することが多く、理想を実現するために必要な、組織としての強さ、風通しのよさを、強く求めているような印象を持ちました。
この日の最後に伺ったのは、ユアフィールドつくばさんの本拠地とも言える「ユアプレイス」という施設。
放課後デイサービスや就労支援、子ども食堂などを行う大きな建物で、こちらもまたモダンで明るい建物でした。
その建物の1室で、今度は瀬尾さんや小澤さんも交えて(小澤さんはオンラインで)約1時間ミーティングをしました。
ここで改めて、ユアフィールドつくばさんのビジョンを整理し、そこから今回の寄付募集へつなげるためのロジックモデルについてあれこれとお話しました。
伊藤さんが頭の中で漠然と描いている、壮大で、とてもやさしい未来を、どうにか全員で言語化しようと、言葉やイメージを出し合いましたが、短い時間ではまだまだ全員が腑に落ちるキーワードは現れず、それでもしっかりと、この団体がめざしている世界は共有できた気がしました。
たった数時間であっても、一緒に行動し、いろいろな施設や試みを目の当たりにできたことが、団体の理解をより深めたのだと感じ、今日があったことをとてもうれしく感じました。
この先のミーティングに、確実にいい効果をもたらしてくれるであろう、有意義な会でした。
ユアフィールドつくばさんの理想を現実にすることが、ますます楽しみになりました。
建物を出るとすっかり雨は上がっており、帰りの電車からは遠くに明るい青空が見えていたのでした。
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