【レポート】WILL2024@オンライン: NPO法人Since(滋賀県近江八幡市)を訪問しました
WILL2024@オンラインにトレーニーとして参加している盛田(もりちゃん)です。
8月19日(月) に支援先の一つであるNPO法人Since(以下、Since)に、合同会社めぐるの木村(きむ)さんと長谷川(こゆき)さん、ファンドレイザーの田村(tama)さんと訪問してきました。
訪問して最も印象的だったのは、子どもたちの明るい笑顔と元気いっぱいな様子でした。
子どもたちにとって居心地のよいコミュニティができていることを、実際に見て感じることのできた実り多い訪問でした。
1. Sinceの概要と活動
Sinceは、滋賀県近江八幡市にあるフリースクールを運営するNPO法人です。
代表の麻生さん、生鷹さん、門脇さんが大学4年生の頃から活動をスタート。
卒業後、就職するという選択をせずに、フリースクールの運営を本格的に開始し、NPOを立ち上げました。
今年で5年目に入ったところです。
“Since”という法人名には、子どもたちがここから始める「はじまりの場所、Since」という思いが込められています。
そんなSinceのビジョンは、「すべての子どもたちが健やかに育つ社会の実現」です。
Sinceはフリースクールを中心に、訪問型支援やナイトステイ、放課後LABOなども運営しています。
・フリースクール:9時~16時。基本的には午前に学習、午後に体験プログラム
・訪問型支援:一対一の関係性を重視した訪問型の取り組み
・ナイトステイ:16時~20時に夜の居場所として運営。子ども食堂Sinceと同時開催。
・放課後LABO:「好きなこと」「やりたいこと」に合わせて学びをコーディネートする、プロジェクト型探究教室
現在の利用者は小2~中2まで約15名。生徒はSNSやネット経由、親の会経由で集まるケースが多いそうです。
2.訪問してわかった、子どもたちの笑顔の理由
子どもたちが笑顔でのびのび過ごせるSinceの取り組みについてお届けします。
(1) 集まりやすくて居心地のよい場所づくり
フリースクールは、JR琵琶湖線安土駅から徒歩5分の、とてもアクセスがよい場所にあります。
そのため、県内の近隣の市から生徒が集まってくるとのことです。
訪問した日は、お盆明けの初日ということもあり、いつもより多い15名の生徒が来ていました。
建物は2階建ての広い物件で、子どもたちは1階や2階の部屋を自由に行き来して、漫画を読んだり、PCを使ったり、ゲームをしたり、自分の好きな活動をすることができます。
また、スタッフと子どもたちの年齢が近いことが、フラット感や親近感を生み出していて、居心地のよさにつながっているのだと思いました。
代表の麻生さんが子どもたちの輪の中に紛れていて、最初見分けがつかなかったくらいです(笑)。
(2) 子どもたちの自主性を尊重した運営
フリースクールの基本は個別学習、個別対応で、特にルールはつくっていません。
最初はいろいろなトラブルが起こったそうですが、問題があった時に子どもたちで話し合う機会をつくり、子どもたちで決めるようにしてきました。
遠足はどこに行くのか、午後は何をするのかなど、子どもたちに全部決めてもらうことも度々あります。
去年7月に安土町で開催されたマルシェへの出店の企画は、すべて子どもたちが1から考えて制作しました。
子どもたちに決めてもらうプロセス、対話を大事にしています。
そうするとリーダーも自然発生してきます。
実際、訪問した際に、最も年長である中2の男の子が私たちを2階に案内してくれ、他の子どもたちも巻き込んで、一緒にカードゲームをする機会をつくってくれました。
彼は誰から言われたわけでもなく、率先してその場を仕切ってくれたおかげで、全員がすぐに打ち解けることができました。
規則やルールをつくらず、自分たちで考えて話し合い、決めて行動することを大事にしているから、Sinceに通っている子どもたちは、明るくのびのびと活動しているのだと感じました。
(3) 子どもたちの可能性を伸ばし、発揮させる工夫
フリースクールでは、実践的な体験型の学習を大事にしています。
訪問した日の午後のプログラムでは、近所の元教員など数名のボランティアの方が、科学実験の体験学習を行ってくれました。
みんな目をキラキラさせて、積極的に実験に参加していました。
絵が得意な子、料理が得意な子、プログラミングが得意な子。
さまざまな体験学習によって、各自の得意分野、好きな分野を見つけ、それを自由に伸ばせる工夫があるのだと思いました。
3.今後の展開
令和4年度の滋賀県の小中学校の不登校児童生徒数は3,385人で、前年度より484人増加しています(※1)。
一方、滋賀県内のフリースクールは約20団体と不登校児童生徒数に比べて少なく、現状ではまだまだ不足しています。
Sinceは、現在の拠点と人員体制で20名まではカバーできますが、もっと多くの生徒を受け入れるために、できるだけ早いタイミングで拠点を増やしていくことを検討しています。
その際に課題となるのが、物件とスタッフの増員、そしてそれを実現するための財源です。
もしこの記事を読んで「いいね!」と思ってくださった方、子どもたちが何度でもスタートできる社会を、Sinceと一緒につくっていきませんか。
ぜひご支援をお願いします。
4.最後に
ここまで読んでくださって、ありがとうございました。
言葉ではなかなかうまく伝えられずにもどかしいですが、とにかく子どもたちの明るい笑顔と元気な姿がすべてを物語っていました。
これからSinceの取り組みをしっかり支え、年末まで一緒に伴走していきたいと思います。
今回ご案内いただいたSinceのまなとさん、プログラムを運営いただいているめぐるのきむさん、こゆきさん、ありがとうございました。
※1:滋賀県教育委員会の児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果
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