【レポート】WILL2021@オンライン:「定例オンライン会議(9) 」を開催しました

「JPBVソーシャルビジネス支援プログラム2021@オンライン」でトレーニーを務めています、田中です。


今回は12月15日の成果発表会前の最後の定例ミーティングということで、各団体が成果報告会に向けた報告・相談を行うとともに、各チームのブレイクアウトセッションをみっちり行いました!


本プログラムも大詰めということで、トレーニーとして参加して感じた「気づき」や「学び」について報告したいと思います。

(※以降は私個人の見解でして、所属する金融機関とはまったく切り離して読んでいただけると幸いです…笑)


(1) 株式会社と非営利法人、事業の性質の違い

株式会社では基本的に事業をスケールさせて、より大きな市場を狙っていくという思想かと思いますが、地域の困りごとを解決する非営利法人では、事業をスケールさせていくことよりも、持続可能性や質を高めていくことを大切にされていると感じました。

また、往々にして社会福祉等に係る取り組みは、国や自治体からの受託事業が主たる収入源となることが多く、予算が縮減することはあっても、増えていくことはあまり見込めないという実態があるように思います。

支援をする側としては、そうした非営利法人ならではの「事業環境」について理解を深める必要があると感じました。


(2) 非営利法人は「困りごと」の現場で手一杯!

今回の“志金”調達計画でも、周知・広報施策をトレーニー側からご提案することになっていますが、話し合いを進める中で、非営利法人の方のリソースは本当に「困っている人を助ける」ことに向いているのだと痛感しました。

一定の規模の会社では人事総務・広報といったバックオフィス機能(システムや人材)が当たり前にあることが多いと思いますが、非営利法人においては、そこにリソースを割く余裕があれば、困っている人を助けることに差し向けるよという思いがあるのだと感じました。

外部からの支援にあたっては、提案する内容の工数や負担感を十分に勘案した上で施策を検討するとともに、可能であればプロボノ的に人材リソースを投入する、あるいは外部の連携先を探すといったエグゼキューションまで配慮した取り組みが必要であると思います。


(3) 日本の「困りごと」はロジックを立てづらい!?

この点は「変化の法則」や「ロジックモデル」を作るときにすごーく感じたことです。

「変化の法則」や「ロジックモデル」は欧米で生まれたフレームワークですが、そもそも海外では日本のようなかっちりした社会保障制度が整備されていないことが多く、困っている人・困りごとの解像度がそもそも高いので、事業のロジックやソーシャルインパクトが立てやすいのかなと思います。

(例えば、医療保険制度の補足範囲が限定的なので、そこを使えない人はみんな助けます、みたいな話。)

ひるがえって、日本では手堅い社会保障制度がある分、そのセーフティネットからこぼれてしまっている人の困りごとは非常に複雑化しており、そもそもロジックモデルやソーシャルインパクトみたいな枠組みに当てはめづらいのではと感じました。

とはいえ、社会課題の解決に向けては、何が「困りごと」で誰が「困っている」のかということは、世の中の人にわかりやすく伝える必要はあり、本当に難しいなと…。

助成や融資をする立場からすれば、「ロジックの立った事業計画を」「具体的なインパクトの計測を」ということ求めがちですが、「日本の困りごとってけっこう難しいんですよ」というのは支援する側は認識しておいた方がよいと思いました。

(ロジックや定量評価を求めるあまり、支援先の事業をゆがめることになりかねないので。)


以上、自分が本プログラムで得た「気づき」や「学び」でした。

半年間、参加する前に自分が想定していたよりもたくさんの貴重な経験と関係を育むことができました。

事務局の合同会社めぐるのみなさま、参画してくださった支援先の非営利法人のみなさまには感謝の気持ちでいっぱいです…。

本当にありがとうございました!


さて、次回2021年12月15日は、いよいよ本プログラムの成果報告会です。

各支援先・トレーニー・ファンドレイザーが一丸となって、よりよい報告ができるようがんばります!